海外でスマホを使う方法 — プラン込み/別SIM/Wi-Fiレンタル比較
海外渡航のとき、地味に悩むのが「スマホをどう使うか」です。事前に準備しないまま現地で普段どおり通信してしまい、帰国後に数万円〜十万円超の請求が来た、という話はいまだに毎年聞きます。一方で、最近は 国内プランに海外データが最初から含まれている契約 や、渡航先に合わせて買える海外用eSIM など、選択肢自体は数年前より格段に増えました。
この記事では、海外でスマホを使うための4つの方式 ―― ① 国内契約のまま使う方法(プラン込み/別料金オプション) / ② 海外用eSIM / ③ Wi-Fiレンタル / ④ 現地SIM ―― を、仕組み・料金感・向いている人の観点で整理します。料金・条件は2026年5月時点の各社公開情報をもとにしています。
まず:なぜ「びっくり請求」が起きるのか
海外でデータローミングがオンになっている状態で、定額サービスや対象プランの適用外のまま通信すると、従量制の国際データ通信料が発生する場合があります。たとえばドコモでは、定額対象外の国・地域でデータ通信を行った場合、1.6円/KBの従量課金となります。1MBでも約1,600円台になる計算なので、地図アプリや写真の自動同期だけでも高額になる可能性があります。従量課金の料金は高額になりやすいため、渡航先・契約プランごとの料金はドコモ公式の海外サービス案内で確認してください。
最近の大手キャリアは「うっかり高額請求」を防ぐ仕組み(利用停止目安額・自動上限など)を入れているとはいえ、それでも事前に方式を1つ決めて準備しておく方が安全です。基本方針は「渡航前に方式を1つ選び、データローミング設定を意識する」、これだけです。
① 国内契約のまま使う方法(プラン込み/別料金オプション)
最近は、ahamoや楽天モバイルのように月額プラン内で一定量の海外データ通信が含まれるものもあれば、LINEMOやpovo2.0、大手キャリア本体のように、国内契約のまま別料金の海外データ定額・海外トッピングを使うものもあります。SIMを入れ替えずに使える点は共通していますが、「月額に含まれるか」「別料金か」は必ず分けて確認してください。
ahamo(ドコモ)
ahamo は、海外91の国・地域で追加料金なしにデータ通信を利用できます。利用できる容量は国内利用分と合算で月30GBまでで、海外でだけ別枠が用意されるわけではない点に注意してください。
なお、ahamo大盛りを契約している場合でも、海外で追加料金なしに使えるデータ量は30GBまでです。海外で110GB使えるわけではありません。
海外で30GBを超えた場合は、海外での通信速度が送受信時最大1Mbpsに制限されます。また、海外で最初にデータ通信を利用した日から15日経過後は、海外での通信速度が最大128kbpsに制限され、日本に帰国してデータ通信を行うまで解除されません。30GB超過と15日超過は別条件で、どちらかが先に到達した時点で該当の速度制限がかかるため、「2週間以内の短期出張・旅行」での利用に向く設計です。
楽天モバイル
楽天モバイル(Rakuten最強プラン)は、対象の100以上の国と地域で海外ローミングを 毎月2GBまで追加料金なしで利用可能 とされています。2026年4月時点では、海外指定107の国と地域と案内されています。海外で使ったデータ量は Rakuten最強プランのデータ利用量に加算されます。2GB超過後も海外ローミング自体は利用できますが、通信速度は最大128kbpsに低速化します。高速データを追加したい場合は、1GBあたり500円でチャージできます。
2GBという容量は大きくはありませんが、地図・LINE・短いSNS確認が中心で、動画視聴や写真・動画の送受信を控える使い方なら足りる場合があります。長めの旅行や写真共有が多い旅行では、追加チャージや海外用eSIMの併用も検討してください。
利用前には、渡航先が海外ローミング対象国・地域か、my 楽天モバイルと端末側の海外ローミング設定が有効になっているかを確認してください。Rakuten Linkを使う場合は、渡航前に国内で認証を済ませておくと安心です。
LINEMO(ソフトバンク)
LINEMOは国際ローミングに対応していますが、ahamoや楽天モバイルのように月額プラン内で一定量の海外データ通信が標準付帯するタイプではありません。利用には無料オプションの「世界対応ケータイ」への申込みが必要で、海外データ通信は「海外あんしん定額」などの別料金サービスとして利用します。海外パケットし放題もありますが、海外あんしん定額が適用されている期間は海外パケットし放題は適用されません。新規番号で契約した場合は、課金開始から4カ月目の末日までは世界対応ケータイに加入できず、5カ月目以降に加入可能 です。一方、MNP/番号移行で加入した場合は申込み可能です。直近の渡航予定がある場合は契約方法と利用開始時期を確認してください。
povo2.0(au)
povo2.0の海外ローミングは160以上の国・地域に対応しています。ただし、海外データトッピングはレギュラー/ワイド/エリア別など種類が分かれており、利用できる国・地域、容量、有効期間はトッピングごとに異なります。
海外データトッピングは日本国内で事前購入できますが、購入後、利用可能地域でデータ通信接続するまでの待機期間は最大30日間です。渡航前に購入する場合は、原則として出発前30日以内に購入してください。
「行く国にぴったり合うエリアトッピングがあるか」がポイントで、合わなければ汎用のレギュラー/ワイドを選ぶ流れです。
なお、povo2.0には「通話+データ」と「データ専用」がありますが、データ専用プランは海外では利用できません。海外ローミング用にpovo2.0を使う場合は、契約タイプもあわせて確認してください。
大手キャリアの海外データ定額サービス
大手キャリア本体では、契約中のプランによって、海外データ通信がプラン内に含まれるケースと、1日単位の定額サービスを追加で使うケースがあります。ドコモでは、「ドコモMAX」「ドコモ ポイ活MAX」など一部の現行プランで、海外200以上の国・地域において最大30GB・15日まで追加料金なしで海外データ通信を利用できます。プランや利用条件によっては「世界そのままギガ」「世界ギガし放題」などの海外データサービスを確認する必要があります。auは「au海外放題」、ソフトバンクは「海外あんしん定額」「海外パケットし放題」に加え、2026年6月2日以降、対象プラン向けに「海外データ放題」を新設予定です。ただし、対象プランによって利用可能日数が異なり、ペイトク2/テイガク無制限では最大31日間、ミニフィット2やメリハリ無制限+などでは最大5日または3日といった区分があります。また、海外データ放題(1カ月)でも、国内外合計の大量通信や長期海外利用時には速度制限がかかる条件があります。海外パケットし放題は、2026年12月以降に提供終了予定と案内されています。提供状況は時期によって変わるため、SoftBank利用者は契約中プランと渡航時期に応じて公式ページを確認してください。対象プラン・対象国・利用可能日数・容量・事前予約の要否が異なるため、出発前に各社公式ページで確認してください。
普段から大手キャリア本体の対象プランを使っている人は、契約中のプランによっては手続きが少なく、海外でもそのまま使いやすい場合があります。ただし、事前予約・専用アプリ・オプション加入が必要なケースもあるため、出発前に公式ページで適用条件を確認してください。日額課金タイプは長期滞在で合計コストが膨らみやすい点にも注意が必要です。
② 海外用eSIMサービス
スマホがeSIM対応なら、渡航前にアプリ・Webから国別・地域別の海外用eSIMを買い、QRコードで設定するだけで現地データ通信が使えます。SIMカードの物理的な抜き差しが要らず、日本の電話番号(音声SIM)は元の回線のまま残せるのが利点です。
代表的なのが Airalo で、世界200以上の国・地域・エリア向けのeSIMを提供しています。地域別(ヨーロッパ周遊・東南アジア周遊など)の eSIM も買えるため、複数国を移動する旅行に向きます。他にも、Holafly(無制限プランが多い)、Trip SIM、Saily など複数のサービスがあります。eSIM共通の注意点として、
- eSIM対応端末でないと使えない(代表例として、iPhone XS/XR以降など多くの近年のスマホはeSIMに対応しています。ただし、販売国・モデル・キャリア仕様によって対応状況が異なるため、購入前に自分の端末の仕様でeSIM対応を確認してください)
- データ専用が主流で、音声通話・SMSは含まれないものが多い(LINE等の音声通話アプリで代替)
- 設定はQRコード読み取りなどで行い、日本出発前にWi-Fi環境のある場所でインストールまで済ませておくと安心。ただし、eSIMサービスによっては、インストール時点で有効期間が始まるものと、現地で通信開始した時点から有効期間が始まるものがあるため、購入前に有効化のタイミングを確認してください
長期滞在や周遊型の旅行で、コストを抑えつつ十分なデータ容量を確保したい人に合う方式です。
③ 海外Wi-Fiルーターレンタル
「イモトのWiFi」「グローバルWiFi」などに代表される、空港受取・宅配で借りられる海外Wi-Fiルーターです。1日ごとの定額で借りる方式で、料金は渡航先・容量・早割の有無によって大きく変わります。安い国の低容量プランでは数百円台からありますが、1GB以上や無制限プランでは1日1,000円台〜2,000円台になることもあります。複数台のスマホ・タブレットを同時に接続できるのが特徴です。
向くケース:
- 家族・グループ旅行で複数端末を1つの回線でまとめたい
- 自分のスマホがeSIM非対応/SIMロック等で海外SIMを入れにくい
- 端末設定が苦手で、電源を入れるだけでつながる方式がいい
注意点:
- 端末を1台持ち歩く必要があり、充電・紛失・故障リスク が伴う
- 1日定額のため、長期滞在ではeSIMより割高 になりやすい
- 受取・返却の手間(空港カウンター/宅配)が発生
「1人旅・短期・既にeSIM対応スマホを持っている」なら eSIM の方が手軽です。家族・グループ旅行では、複数端末を1台でまとめられるWi-Fiレンタルが候補になります。ただし、全員が近くにいる必要があり、別行動には弱い点があります。人数分の海外用eSIMを買う方が安い場合もあるため、渡航先・日数・人数で比較してください。
④ 現地SIM(空港カウンター・コンビニ)
到着空港のSIMカウンター、市街地のコンビニ・キャリアショップで、現地の物理SIM/eSIM を購入する古典的な方法です。中長期滞在では最もコスパが良くなりやすい一方、
- 言語・手続きの壁(英語または現地語での対応が必要な国が多い)
- APN設定 を自分で行う場面がある
- SIMフリーまたはSIMロック解除済みの端末 が前提(近年の端末ではSIMロックがないケースも増えていますが、古い端末や中古端末では例外があるため、渡航前に必ず確認してください)
など、慣れていないと当日の負担が大きめです。短期旅行で1〜2日のためにわざわざ現地SIMを買う意義は薄く、長期滞在・現地での就労・留学等で生活基盤として通信を確保するときに向きます。
期間・人数・端末で選び分ける
ここまでの4方式を、滞在期間別に整理するとおおむね次のようになります。
〜3日(短期出張・週末旅行)
- ahamo 契約者:対象国・地域なら申込み不要・追加料金なしで月30GBまで利用可能。ただし、端末側でデータローミング設定を行う必要があります(91の国・地域、15日以内)
- 楽天モバイル契約者:2GB以内に収まる使い方なら追加料金なし
- 上記でない場合:海外用eSIM(1〜3GBの短期プラン)か、大手キャリアの日額・時間単位の海外データ定額サービスを1〜2日分だけ使う
1週間〜2週間(一般的な海外旅行)
- ahamo:海外でデータ通信を15日を超えると128kbpsに制限される点に注意(短期旅行なら問題が出にくい)
- 楽天モバイル:2GBを使い切ったら有償追加か、別途eSIMの併用
- eSIM(Airalo・Holafly等):地域別プランで5〜10GBを買っておけば余裕
- 家族・グループ:Wi-Fiレンタルで1台共有
1ヶ月以上(長期滞在・留学)
- 日本の回線は番号維持用に最小コストで残し、生活回線は現地SIM または eSIMの長期プランで確保。povo2.0は基本料0円ですが180日ルールがあり、楽天モバイルは3GBまで税込1,078円の段階制です。番号維持だけなら、維持条件も含めて比較してください
- 国内回線の海外ローミングを丸ごと使う方式は、長期では割高になりやすい
渡航前に確認しておきたい設定
方式を決めたら、出発前に次の3点を整理しておくと事故が減ります。
- データローミングの設定 ― 国内回線でローミングしたくないなら、出国後にデータローミングOFFを徹底。eSIM・現地SIMに切り替える場合も、メイン回線のローミングがOFFになっているか必ず確認
- メッセージアプリ・地図の事前準備 ― 連絡手段(LINE等)、Google マップのオフライン地図、翻訳アプリの言語ファイルなどは出発前にダウンロード
- クラウドの自動同期 ― 写真・動画の自動アップロードは、海外滞在中だけ Wi-Fi接続時のみに切り替えると安心
帰国後は、海外用eSIMや現地SIMをデータ通信回線にしたままになっていないか確認し、日本の回線を主回線に戻します。データローミングは、海外利用が終わったらOFFに戻しておくと安心です。
まとめ
海外スマホ通信の選び方を雑にまとめると、
- 短期2週間以内 × 1人 = まずahamoや楽天モバイルなど、今の契約に含まれる海外ローミング枠で足りるか確認。不足しそうで、スマホがeSIM対応なら海外用eSIMを追加するのが手軽です
- 既に ahamo / 楽天モバイル を契約 = まず標準の海外ローミング枠内で足りるか試算
- 家族・グループ旅行 = Wi-Fiレンタルで1台にまとめる方法、人数分の海外用eSIMを使う方法のどちらが安いかは渡航先・日数・人数で変わるので比較する
- 長期滞在・留学 = 現地SIM / 長期eSIM で生活回線を別途確保し、日本の回線は番号維持に絞る
という整理になります。「とりあえず1日定額のキャリアサービス」だけが選択肢だった時代と比べると、方式の幅が広がったぶん、出発前にどれを使うか1つだけ決めておけば、現地でも安心して使えます。
よくある質問
- 海外でスマホを使う4つの方法は何?
- ①国内契約のまま使う方法(ahamo・楽天モバイルのようにプラン内に海外データが含まれるタイプと、LINEMO・povo・大手キャリア本体のように別料金オプションで使うタイプ)、②海外用eSIM(Airalo・Holafly・Trip SIM・Sailyなど、渡航前にアプリ・Webから国別・地域別eSIMを購入)、③Wi-Fiルーターレンタル(イモトのWiFi・グローバルWiFiなど、空港受取または宅配)、④現地SIM(到着空港・コンビニ・キャリアショップで購入)の4方式があります。
- ahamo の海外データ利用条件は?
- ahamoは 海外91の国・地域 で追加料金なしにデータ通信を利用できます。利用できる容量は国内利用分と合算で 月30GBまで で、海外でだけ別枠が用意されるわけではありません。ahamo大盛りを契約している場合でも、海外で追加料金なしに使えるデータ量は30GBまで(海外で110GB使えるわけではない)。海外で30GBを超えると最大1Mbpsに制限、最初にデータ通信を利用した日から15日経過後は最大128kbpsに制限され、日本に帰国してデータ通信を行うまで解除されません。
- 楽天モバイルの海外ローミングは何GBまで使える?
- 楽天モバイル(Rakuten最強プラン)は、対象の 100以上の国と地域で月2GBまで追加料金なし で利用可能とされています(2026年4月時点では海外指定107の国と地域)。2GB超過後も海外ローミング自体は利用できますが、通信速度は最大128kbpsに低速化します。高速データを追加したい場合は、1GBあたり500円でチャージ できます。地図・LINE・短いSNS確認が中心で動画視聴を控える使い方なら足りる場合がありますが、長めの旅行や写真共有が多い旅行ではチャージや海外用eSIMの併用も検討してください。
- 「びっくり請求」を防ぐにはどうすればいい?
- 海外でデータローミングがオンの状態で、定額サービスや対象プランの適用外のまま通信すると、従量制の国際データ通信料が発生します。たとえばドコモでは定額対象外の国・地域で 1.6円/KBの従量課金 となり、1MBでも約1,600円台になる計算です。地図アプリや写真の自動同期だけでも高額になる可能性があるため、出発前に方式を1つ決めて準備し、データローミング設定を意識することが基本です。最近の大手キャリアは利用停止目安額・自動上限などの仕組みを入れていますが、事前準備しておく方が安全です。
- 海外用eSIMはどんなときに向く?注意点は?
- 長期滞在や周遊型の旅行で、コストを抑えつつ十分なデータ容量を確保したい人に合います。代表的な Airalo は世界200以上の国・地域・エリア向けのeSIMを提供し、地域別(ヨーロッパ周遊・東南アジア周遊など)も買えます。注意点は3つ:①eSIM対応端末(iPhone XS/XR以降など)でないと使えない、②データ専用が主流で音声通話・SMSは含まれないものが多い(LINE等の音声通話アプリで代替)、③設定はQRコード読み取りで行い、出発前にWi-Fi環境でインストールまで済ませる。eSIMによって有効化のタイミング(インストール時点/現地通信開始時点)が異なるため購入前に確認してください。
- Wi-Fiルーターレンタルと海外用eSIMはどちらが安い?
- 1人旅・短期で既にeSIM対応スマホを持っているなら eSIM の方が手軽です。Wi-Fiレンタルは1日定額のため、安い国の低容量プランで数百円台〜、1GB以上や無制限プランで 1日1,000円台〜2,000円台 になることもあります。家族・グループ旅行で複数端末を1台でまとめたい場合や、自分のスマホがeSIM非対応/SIMロック等で海外SIMを入れにくい場合はWi-Fiレンタルが候補ですが、全員が近くにいる必要があり別行動には弱い点、長期滞在ではeSIMより割高になりやすい点に注意してください。
- 1ヶ月以上の長期滞在ではどの方式がいい?
- 日本の回線は 番号維持用に最小コスト で残し、生活回線は 現地SIM または eSIMの長期プラン で確保するのが基本です。番号維持の選択肢としてpovo2.0は基本料0円ですが180日ルールがあり、楽天モバイルは3GBまで税込1,078円の段階制です。維持条件も含めて比較してください。国内回線の海外ローミングを丸ごと使う方式は、長期では割高になりやすく、ahamoは15日経過後に最大128kbpsに制限される点でも長期滞在には向きません。
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※ 本記事の料金・対応国数・速度制限の条件は2026年5月時点の各社公開情報を基に作成しています。プラン内容・対象国・適用条件は変動する可能性があるため、契約・申込み前に必ずahamo公式・楽天モバイル公式・povo公式・LINEMO公式・au公式・各eSIM/Wi-Fiレンタルサービス公式でご確認ください。